暇人日記

毎日が暇です。

4人の食卓

難しい映画だ。セリフ、セット、映像など、いたるところに謎解きのカギがちりばめられている。複雑なパズルを解くように観なければならないので、少し疲れるかも。ホラーの手法を使った監督のメッセージが込められた映画だ。
4人の食卓というタイトルが暗示的だ。本来テーブルを照らすべきライトが、座るべき4人にあたるという奇妙な配置に変えてから次々に不気味なことが起きる。テーブルという共通の場所を失った主人公は、何が真実かわからない不安定な過去の世界におちていく。
他人の過去を見通せるチョン・ジヒョンの演じる主人公は、過去そのものを象徴しているようだ。ライトのあたり方ひとつで、どうにでもなってしまう過去の事実。いくつかのホラー的な事件は、こういった過去の不安定さを表現しているのだろう。真実が何かがわからないのだから、謎解きが中途半端になっているのも当然かな。
この映画でもうひとつ重要な道具として雨が使われている。過去の不安定さから逃げ現在にもどろうとしても、いつも雨ばかり。希望のない現在、不安定な過去。では、どうしたらよいのだろう。
それにしても監督のイ・スヨンは才能がある人だ。こういう構成に凝りすぎた映画だと一般受けしないので、もっと娯楽的な要素をとりいれた作品をつくって欲しい。きっとすばらしい映画をつくってくれるような気がする。

猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョンの新作ということで公開時から気になっていたのですが、予想以上によい映画でした。ジヒョンの演技もよかった。今日から上映の「僕の彼女を紹介します」も期待してます。

4人の食卓 [DVD]

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