暇人日記

毎日が暇です。

グエムル −漢江の怪物−

韓国で爆発的にヒットしている「グエムル −漢江の怪物−」を観てきた。封切り初日に映画を観に行くのはこれが初めて。夕方からの部だったが、人はまばら。

韓国の急速な経済発展を漢江の奇跡というが、その漢江に怪物が現れる。発展の裏にある負の部分の象徴ということだろう。その怪物に漢江で売店を営む中年男ソン・ガンホの娘がとらえられ、救出作戦が始まる。助けを差しのべるはずの警察、メディア、それにアメリカ軍などがいるわけだが、社会ではうまく機能しているはずのこういうシステムが、実のところ何の役にもたってくれない。結局、頼りない家族で助けることになる。巨大な怪物を相手にするにはアーチェリーや火炎瓶では心許ない。それでも必死に怪物に立ち向かう家族たち。家族の大切さと社会批判を描いた映画と言えるのかな。

冒頭から怪物が正体を現し、適当なタイミングで登場してくるので、緊張感がとぎれない。怪物そのもののもグロテスクでよくできている。

ポン・ジュノ監督は構成がうまい。こういうテーマとストーリーで2時間持たせるのはなかなか難しいと思う。それに「ほえる犬は噛まない 」でみせた皮肉たっぷりの風刺も健在。もっと突っ込んでもいいと思ったけどね。

よくできた映画だと思うが、やはり「殺人の追憶」には及ばない感じ。