年末からナニワ金融道と青木雄二氏の本を10冊くらい読んだ。どれも面白い。資本主義の負の部分というか本質的な部分が描かれている。氏自身、共産主義者、マルクス主義者であると言っているとおり、反体制の立場から世の中を見ているため、それだけアラ捜しの目が厳しい。ドロドロした感じを受けるのは氏が世の中の底辺を経験したことが大きいと思う。だが、それだけでなく、共産主義を望みながらもお金を求めなければならなかった矛盾も反映されていると思う。お金持ちがよく口にするお金への感謝の気持ちは、氏の場合、まったく出てこない。お金の力を認めながらも釈然としない気持ちがあったのだろう。氏にとっては、お金ではなくやはりゼニだったということか。
結局、氏は成功してお金持ちになったのだけれど、漫画を描くという特殊な才能があっただけで、資本家になったわけではない。じゃあ、どうすれば資本家になれるのかという問いの答えが中古マンションの一棟買いなのかな。大家になれば家賃収入が入ってくるから、資本家のようなものになれる。
資本家になることは、何かだいそれたことに聞こえるけど、労働者に限界がある以上、これからは資本家になろうという人が増えてくるだろう。氏は薦めてないが、株は一番手っ取り早い方法。ネット取引の普及で、既に短期間で何億円も儲けた人がたくさん出ているし、これからも増え続けるだろう。まさにプチ資本家というべき階層が誕生しつつあるのかもしれない。
- 作者: 青木雄二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/03/12
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