お金のことを公に語るのは憚れるものだ。誇り高き文筆業の人たちにとっては尚更だろう。そこをズバッと切り込んでくれたのだから、面白くないわけがない。文豪漱石であっても家計のやりくりには相当に心を砕いていたらしいし、現代の筒井康隆氏や立花隆氏の場合はもっと生々しい話がでてくる。
どんな職業でも生活を維持するだけの収入がなければ続けられないのだから、お金にこだわるのは当たり前のこと。ビジネスとしての側面をまともに取り扱ってこなかった悪い風習が、現在まで引き継がれているということだろう。名前の知られた文筆家の原稿料が1枚1万円というのは想像以上に安い。薄給でも安定したサラリーマンのほうが待遇は上だ。
- 作者: 日垣隆
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/03/08
- メディア: 新書
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