小泉総理との会談をキャンセルして呉副首相が帰国。帰る直前に奥田会長との昼食会にはしっかり出席していったそうなので、この問題と経済協力は切りはなすという中国政府の方針をはっきり示したということだろう。
この点は日本も考えは同じ。もし、経済問題に悪影響を及ぼすようなことになれば、中国なしに考えられない日本の産業が大打撃を受けるは間違いない。もっと深刻なのは中国で、共産主義に自由主義経済という矛盾をかかえる政府の方針に非難が集まり、体制を揺るがしかねない状態をまねくかもしれない。
結局のところ、どのような政策をとっても相手に不満を持つ勢力は存在するのだから、靖国や教科書問題に不満が集まっている今の状態は、危うい綱渡りのように見えても、うまくいっていると考えられなくもない。両国政府とも、こういった問題をスケープゴードとして利用できるとみて、対処しているようにも見える。
それにしても今の中国政府は相当に苦労しているように見える。小泉総理退任後に靖国問題が沈静化すれば、新たな対立の構図が必要となってくる。舵取りを間違えるとかなり危ない状況になってしまう。
