久しぶりに刑事コロンボを見た。新シリーズの「完全犯罪の誤算」。旧シリーズのときは熱心にみていたけど、新しい方はほどほどにつきあっている。
雨が降った降らないあたりまでは期待を持たせるクライマックスだったけど、あのチーズのおかげで間抜けな犯人になってしまった。ガムがあんなところから出てくるのは変だ。「ルーサン警部の犯罪」や「ビデオテープの証言」のような終わり方だ。「二枚のドガの絵」のような傑作には及ぶべくもない。
ピーター・フォークはあまり変わっていないけど、名優パトリック・マクグーハンは年をとったね。「仮面の男」や「祝砲の挽歌」で見せたすばらしい演技に比べると、今回は上流階級の人間の嫌みなところがあまり感じられなかった。ジョークネタは監督の彼の好みかな。マージャンで頭を悩まされたけど、今回のユダヤも意味がよくわからなかった。アイリッシュも聞きたかったけど。
新作の中では出来はよいと思う。ただ、ハラハラドキドキする効果的な音楽がまったく聞けない。新シリーズが旧作品に負けている原因のひとつは音楽だと思う。
